2013年2月24日日曜日

Vol.6 ICE

ニュルンベルクの街も名残惜しいですが、次の目的地に向かわなければなりません。


ニュルンベルク中央駅から次の目的地ミュンヘンに向かう列車に乗ります。それにしても荘厳な駅舎です。駅舎の中も古めかしいかと思いきや、LEDの発車案内板があったりと近代的な設備が整っています。




駅の構内に鉄道模型が展示されていました。自動運転されている模型に子どもたちは興味津々。ガラスに顔をくっつけて眺めています。どこの国も同じですね。

列車の出発時刻にはまだ時間がありますが、少し早めにホームへと向かいます。
ホームへ出てみると様々な列車が行き来していました。

いきなりICEがいました!しかも並んでいます!
ICEとは「インターシティエクスプレス(InterCityExpress)」の略で時速300kmで走ることもできるドイツ鉄道が誇る超特急列車です。

到着する様子の動画です。

ここで込み入った話をすると、ヨーロッパの鉄道は、動力集中方式という機関車が客車を牽引する方式が主力となっています。日本で言うと寝台特急や貨物列車がこの方式です。一方、日本の電車のような各車両がモーターを持って走行する方式を、動力分散方式と呼んでいます。新幹線や電車はこの方式です。両方式には一長一短があるのですが、平坦な場所では動力集中方式が、複雑な地形では動力分散方式が有利と言われています。
ICEもICE 1とICE 2までは動力集中方式でした。ところが旧東ドイツへもICE網を拡張させようとしたところ、線路の勾配やカーブが多いため動力分散方式のICEが開発されました。それが写真に写っているICE Tです。

日本で言う快速列車に相当する「レギオナルエクスプレス(RegionalExpress)」。わかりづらいですが、客車は2階建てになっています。

電車だけでなく、ディーゼル機関車もいました。日本のDE10形ディーゼル機関車にどことなくにています。

こちらはチェコの首都プラハへ向かう国際列車。赤を基調としたドイツ鉄道の車両とは異なり、青い車体で目立っていました。

そろそろミュンヘン行きの特急列車の時刻が迫ってきました。
ホームにはこのような発車案内板が設置されています。日本と同様のサービスですね。こういったものがあると外国人客は安心して列車に乗ることができます。案内放送だけでは聞き取れないことも多いですから。

来ました。ミュンヘン行きのICEです。ニュルンベルク中央駅を15時28分に発車して、ミュンヘン中央駅に16時48分に到着の予定です。

車体にはICEのロゴが描かれています。ちなみにドイツの鉄道のホームは高さがそれほど高くありません。なので、車体下の車輪の様子もよく見ることができます。こういったところにもドイツと日本の違いを感じます。

まじまじ見ていたら乗り遅れた、なんてことにならないように早速乗り込みます。
15時28分、定刻でニュルンベルク中央駅を発車しました。
脳内BGMとして「世界の車窓から」のテーマ曲を流してください。

ニュルンベルクを離れ、ミュンヘンを目指すICE。街を抜けると収穫を終えた麦畑が見えてきます。

インゴルシュタットに到着。北上するICEとすれ違い。あちらは動力集中方式のICE 2ですね。

ICEの車内にはモニタがあり、現在の速度を表示しています。

車内で読書にふけるご婦人。揺れや騒音も少なく快適な車内です。ちなみに私は車内で缶ビールを飲み続けいていました。せっかくドイツに来たんですから!どんなビールかというとBitburger(ビットブルガー)という日本でも入手しやすいビールです。

11月、しかもドイツは緯度が高いためあっという間に陽が落ちていきます。

次回はミュンヘン中央駅に到着からです。

2013年2月19日火曜日

Vol.5 中世に迷い込む

ニュルンベルク城からの眺めを堪能したあと、中央広場に戻ります。

ちょうど時刻はお昼の12時。フラウエン教会では12時になるとからくり時計が動き始めます。中央広場に集まった人たちが教会の時計を見上げます。

からくり時計はこんな感じで鳴り響きます。

時刻は12時。まさにお昼時です。
実はこの時間になると中央広場には美味しそうな匂いが漂ってきます。中央広場に面して美味しいソーセージで有名な名門レストラン、ブラートヴルストホイスレがあるのです。
ドイツの味といえば、ソーセージ。堪能しようとお店に入ったのですが、お昼時ということもあって大混雑しています。お店のど真ん中にキッチンがあり、そこで美味しそうなソーセージが何十本も焼かれています。キッチンの周りに配置されたテーブルでは客が美味しそうに焼きたてのソーセージとビールを味わっています。
席があくまで待とうかとも思いましたが、店員に待ってますと伝えるすべがわかりません。が、目の前に"TAKE OUT"の文字が見えます。たどたどしいながらも店員に2つテイクアウトと注文。すると焼きたてのソーセージをパンに挟んで渡してくれました。

美味しそう。
一口頬張ると芳ばしい香りと濃厚な肉汁の味が口の中に広がります。
これは美味しい!さすがドイツだ!
あっという間に平らげてしまいました。


お腹が満たされたのでまたぷらぷらと歩き始めます。
ムゼウム橋まで戻った所で歩き疲れたせいか喉が渇いてきた。何か飲み物はとあたりを見回すと売店とカフェが合わさったようなお店が目に入りました。ここにしよう。
店内に入って飲み物を注文。注文したのはもちろんビール!

BECK'Sというビールです。飲んでみるとクセのないさわやかなのどごしでした。ちなみにこのBECK'Sというビールはドイツのそこら中で手に入れることができます。売店に行けばだいたいこのビールがビンかカンで売られています。


ビールで一息入れたのでまた歩き始めます。
城壁の近くにある職人広場という場所に到着。一足踏み入れるとそこはまさに中世の世界。
石畳の道、その両脇には小じんまりとした建物。中にはところ狭しと商品が飾られています。商品もメルヘンチックなものばかり。どこかの中世をテーマにしたテーマパークに迷い込んだような気分になります。






次に乗る列車の時刻が迫ってきたのでニュルンベルク中央駅に向かいます。

この街にもトラムが走っています。街並みともマッチしていますね。


中世の雰囲気をタップリと残した街、ニュルンベルクを堪能しました。しかしこの街の素晴らしい町並みは中世からずっと守られてきたものではありません。中世から栄えたこの街は約七十年前に悲劇に見舞われます。

第二次世界大戦。この戦争でニュルンベルクは市街地の90%が破壊されてしまいました。あの教会も、あの城も、あの駅も破壊されてしまったのです。さらにこの街はナチスドイツの指導者たちを裁くニュルンベルク裁判の舞台にもなったのです。戦後、この街を棄て、別の場所に街を作りなおそうという計画もあったそうです。しかし、ニュルンベルクの人々は街を元の姿に戻すことを決めました。そしてニュルンベルクは破壊されたことを微塵も感じさせないほど復活したのです。

僅かな滞在時間でしたがこの街にすっかり魅せられてしまいました。
もう少し街を見てみたいという未練を残してドイツ南部の大都市ミュンヘンへと向かいます。

続く。

2013年2月14日木曜日

Vol.4 古城を目指して

ではニュルンベルク観光を続けていきます。

ニュルンベルク交通博物館を出て真向かいにあるのがオペラハウス。狭い道路から見上げるように写真をとったためにこんな写真になってしまいました。えー、この先々、このような見上げる写真がたびたび出てくると思います。ドイツの建物は高さがあるものが多く、どうしてもこのような写真になってしまいがちなのです。今のうちに言い訳しておくわけです。

オペラハウスを通り過ぎると城壁が見えてきます。ニュルンベルクの旧市街はこのような城壁にぐるりと囲まれています。

ゲルマン国立博物館のあたりを歩いていると柱に突然日本語が書かれていました。周りをみてみると同じような柱がいくつも立っていて、何かしらの文章が刻まれていました。おそらく各国の教育に関する法律の一節が刻まれているんだと思います。

ケーニヒ通り。ニュルンベルクの旧市街のメインストリートです。歩道だけでなく、車道も石畳で日本とはまるで違う街並みを形作っています。

かといって街に古いものしか無いかというとそんなことはなくて、ちゃんとファストフード店もあります。看板がなければ絶対にバーガーキングとはわからん外観です。

ケーニヒ通りを進んでいくと石造りの大きな建物が見えて来ました。聖ローレンツ教会です。これも背が高いです。写真に入りきりません。

しばらく歩くと橋が見えてきます。ペグニッツ川にかかるムゼウム橋です。

左の川の上に立っている建物はレストランです。レストランの名前はかっこよくて長いので忘れました。

ムゼウム橋を過ぎてしばらく歩くとニュルンベルクの中央広場に出ます。ここでは休日以外は青空市場が開かれています。野菜よりも果物がたくさんあるように見えました。

中央広場の奥にはフラウエン教会がそびえています。市場と教会。ヨーロピアンな感じがします。

フラウエン教会を全景で見るとこんな感じです。綺麗ですね。ちなみに旅の後半になるとこれ以上にスゴい教会がこれでもかというくらいに出てきます。

中央広場の一角に美しの泉というのがあります。フェンスに囲まれていてあまり美しいとは言いがたい状況ですが真ん中の塔には美しい装飾が施されていました。

こちらは旧市庁舎。ヨーロッパは市庁舎が立派なものばかりです。

市庁舎と通りすぎてさらに進むと急な坂道が出てきます。この先にあるのが。。。

この街の象徴であるカイザーブルク、ニュルンベルク城です。山の上に城を築くのは西洋も東洋も同じのようです。

ニュルンベルク城の城壁の上から街が一望できます。大きな塔を持つ建物が二つ見えます。右手前に見える建物が聖ゼーバルトゥス教会、中央奥に見えるのが聖ローレンツ教会です。その昔に王様もこの風景を眺めていたのでしょうか。

旅行記4話目にして初めて鉄道の写真がない記事になりました。
次回、まだまだニュルンベルクの街をぶらつきます。
果たして鉄道の写真はあるのか!?

2013年2月11日月曜日

Vol.3 ニュルンベルク交通博物館

ホテルで朝食をとり、ニュルンベルク観光へ向かいます。
まず向かった先はニュルンベルク交通博物館。
建物の様子から見ても分かる通り、古い歴史を持つ博物館です。技術に関する博物館では最古の部類に入るそうです。ニュルンベルク中央駅から徒歩15分くらいの場所にあります。

ニュルンベルク交通博物館。正式名称は「ドイツ鉄道株式会社の博物館」というそうです。

博物館の前からの風景。DB Museumののぼりが立っています。DBというのはDeutsche Bahn、ドイツ鉄道の略です。

大宮にある鉄道博物館のように、かつて実際に使われていた車両が展示されています。ヨーロッパ最古といわれるだけあって展示されている車両もかなりの年代モノばかりです。

左の機関車は「アドラー号」というドイツ最初の蒸気機関車のレプリカです。レプリカといってもきちんと走行可能で何度か特別走行が行われたそうです。ICEと並んで展示されています。

正面から見るとこのような感じ。本物のアドラー号は1835年に製造されたそうです。日本の暦で言うと天保期、11代将軍徳川家斉の時代のお話です。

ICEのモックアップ。ICEとはInterCityExpressの略で、日本で言う新幹線のような存在です。

数多くの蒸気機関車が展示されています。この機関車は王立バイエルン邦有鉄道S2/6型蒸気機関車というもので、動輪の直径は2m以上あります。高速運転を目的とした機関車で長くドイツの最高速度を誇った機関車だそうです。こちらは1906年、明治39年の製造。

蒸気機関車が並んでいます。左の蒸気機関車はフェニックス号という急行列車に使われた機関車です。

この博物館の目玉の一つがこの貴賓車。バイエルン王ルートヴィヒ2世の時代に活躍したものです。屋根に付いている王冠が王室専用車両の証です。

外観も非常に派手です。この青色はルートヴィヒ2世がお気に入りの色なんです。

貴賓車の天井。細部まで綺麗に装飾が施されています。ちなみにルートヴィヒ2世については、この場所とはまた別の場所で触れる機会があります。

1909年製造の電気機関車E69。シーメンス社が製造したものです。この頃からシーメンスは電気機関車を製造していたんだと感心しきりです。

TEEの模型。TEEというのは"TRANS EUROP EXPRESS"の略で、1950年代にヨーロッパの鉄道の頂点に君臨した列車です。

他にもたくさんの模型が展示されています。

鉄道模型の展示。5000個以上のリレースイッチで制御されているそうです。かなり年季の入った代物であるにもかかわらず、未だに現役であるのを見ると丁寧に手入れがされているんだと思われます。

15秒ほどの短い動画ですが、ジオラマの様子をご覧ください。

じっくりと館内を2時間ほど巡ってミュージアムショップでお買い物。カレンダーなどをお土産に買い込みました。
退館しようとしたところ向こうからアジア人らしき4人組が。もしかしたらと話しかけたらフルムーン旅行の日本人旅行客でした。「いやいやこんなところで日本人に会うとは」とお互いに驚くやら嬉しいやらという感じでした。

ニュルンベルク観光はまだまだ続きます。